まほろば紀行~つれづれなるままにレトロに生きる

日々の雑感や昭和レトロ、素人の投資ことはじめを語ります

刺さる言葉に出会うとき―『教養としての投資』を読んで

いまやネットで簡単にニュースが「無料で読める」時代。このままいけば紙の新聞を購読する人はどんどん減るに違いないと思っていたが、もはやそれは現実化しているようだ。

地方紙の廃刊・休刊が相次いでいるだけでなく、とうとう全国紙の朝日新聞さえ赤字で、7月から27年ぶりに購読料を値上げせざるを得ない事態だという。

メディアの、ときに偏向的な報道は問題だが、個人的には新聞にはがんばってもらいたい。なので、昭和男はしばらく新聞の購読を続けようと思う。

玉石混淆の情報洪水の中で

勤め先でも全国紙を数紙とっている。それらを広げて報道の仕方を比較してみると、やはり偏った情報だけに頼ると、真実から遠ざかることがよくわかる。

ちょっとした片言隻句を取り上げて、さも問題かのように取り上げるテレビのワイドショーを見れば、それは一目瞭然。個人の情報発信も含め毎日、大量の情報が垂れ流される中で、いかに本当の情報を選び取るか。それはもはや個々人の力によるしかない。

ただ、その中で思うのは「刺さる言葉」のなんと少ないことか、ということである。少ないというか、ほぼない、というのが実情だ。

刺さる言葉に出会ったとき、人は感動し、人間的に成長する。それは歳など関係ないが、できるだけ若いときから、そういう出会いを重ねれば、それだけ人は成長するはずだ。

日本人よ、投資家になれ

そんなふうに思っていたとき、『教養としての投資』(奥野一成著)を読んで、ひさびさに刺さる言葉に出会った。

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ビジネスエリートになるための 教養としての投資 [ 奥野 一成 ]
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この本は株式投資の単なるノウハウ本ではなく、ビジネスをする上で「投資家の思想」を持つことがいかに大事か、そのことを説いた本である。

日本が平成以降、昭和の遺産を食いつぶし、少しずつ貧しくなっていく中で、「投資家の思想」こそが日本の未来を切り開くという。

チャートとにらめっこして売り買いを繰り返すのは、投資ではなく投機。それは「ギャンブルとなんら変わりありません」と言う著者。

まさに考え方の土台、覚悟が違うのである。

「投資はビジネスの最良の教科書である」「投資は知の総合格闘技」「資本家になることは日本人としての責務である」「売らなくていい会社しか買わない」「長期投資の長期とは『永久』のこと」などの言葉は、実際にファンドマネージャーとしてその信念を貫き、結果を出している人の言葉だけに、そのへんの投資本とは伝わり方が違う。

おそらく著者は、この本をこれから日本を担っていく若者にこそ読んでほしいのだろう。

著者の言葉が刺さり、知の総合格闘技に参加する日本人が増えれば、日本の未来。もしかしたら明るくなるかもしれない。

そう感じさせる本だ。

先の見えたおじさんも、もうまもなく「人生一丁上がり」と思ってはいられない。

それはお年寄りもご同様。なんせ人生100年時代。

著者いわく

「知の総合格闘技に終わりはない」

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日本人は「失われた時代」から抜け出せるか