まほろば紀行~つれづれなるままにレトロに生きる

日々の雑感や昭和レトロ、素人の投資ことはじめを語ります

休刊ラッシュ

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止まらない雑誌不況

『アサヒカメラ』の休刊を知ったとき、なんとなくそう思っていたのだが、コロナ禍も重なって昨年は雑誌の休刊が一層進んだ。

身近なところでは、購読していた『毎日ウィークリー』が12月26日号を最後に休刊してしまったのが、ちょっと悲しかった。

例を挙げると、専門誌では『ミセス』が4月に休刊、『カメラマン』も5月に休刊、老舗の流通業界誌『商業界』に至っては、破産して発行停止に。検索してみると、新聞も地方紙で夕刊の休刊が相次いでいるようだ。『高知新聞』は昨年末で夕刊を廃止。購読の伸び悩みに加え、どこも収益の大きな柱である広告売り上げの低下が響いたのだろう。

参考までに、経済産業省の統計「特定サービス産業動態統計調査」結果(https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabido/result-1.html)をみると、2020年7~9月の広告業の売上高合計は前年同期比で約20%減。新聞、雑誌、テレビ、ラジオの4媒体すべてで減少しているが、とくに雑誌の落ち込みが前年同期比約46%減と著しい。

ネット社会となり、紙媒体の存在意義の低下が叫ばれて久しい。私も毎日、薄っぺらい夕刊を見るたび、「こんなニュース、もうネットに出てるし、夕刊なんかいらんのちゃうか」と思うのだが、それでも新聞はやはり紙で読みたいし、気に入った特集や記事がある雑誌は取っておきたいと思うのは、昭和世代だからか。

そういえば、モーニングスターの『株式新聞』も紙媒体を休刊し、デジタルに完全移行するという。同社の株主優待で半年だけ読んだが、体裁が古くさくてちょっとびっくりした。1949年創刊の証券専門紙だから伝統はあるが、若い人はこういう紙媒体はもう読まないんじゃないかなと確かに思った。

とはいえ、ネットの信頼できる情報なんてごくわずか。だからこそメディアリテラシーを高める一方で、信頼できるメディアには、デジタル、アナログの区別なく、きちんとお金を払って購読したいとも思う。メディアは、そう思わせる雑誌や新聞を作り続ける努力をするしかない。

休刊は事実上の廃刊だが、超高齢社会なら、復刊を待ち望むファンは決して少なくないはずだ。