まほろば紀行~つれづれなるままに

日々の雑感や昭和レトロ、素人投資を語ります

弘法さん

毎月21日、弘法大師の月命日に東寺で開かれる弘法市。

初めて訪れたのが、弘法大師の命日3月21日というのもなにかの巡り合わせか。

この世とあの世が近づくお彼岸に、境内は多くの参拝者でにぎわっていた。

骨董品に掘り出し物がないかと探したが、買ったのは干し芋と干し柿のみ。

晴れてよかったね

それも一期一会。

色は空に異ならず、空は色に異ならず。

「自分を固めてしまってはいけない。それが苦労の原因である。決まった自分はない」とお大師さまも言っている。

ただ、ゆるやかに、ゆるかやに。

今日も生きていこう。

 

いつか見た風景

偶然が必然になる。

いいスナップショットにはそう感じさせるものがある。

還暦を過ぎ、再び一眼レフカメラを携えて、たまに町を歩く。

シャッターを押したくなるシーンには、いつもレトロ感、既視感がある。

初めて見たのに、どこかなつかしい風景。

先日は、大坂・富田林の寺内町をめぐった。

平日だから人も少なく、ちょうどよかった。

人であふれた観光地は苦手だ。

駅前の観光案内所で地図をもらい、歩き始めると、昭和を思わせる古ぼけた制服店に出くわした。

それは大西みつぐさんの写真集『まちのひかり』に載っていた店だった。

緒形拳さんのドラマ「帽子」を思い出してしまった

大西さんのスナップ写真も好きで、その店の写真を覚えていたので、思わずカメラにおさめた。帰って見比べたら、店の外観も中の様子も時が止まったようにほとんど変わっていなかった。

そんなどうでもいいようなことに、少し心を動かされる。

今回はペンタックスK100Dにマニュアルレンズを付けて町を歩いた。

久々だし目もぼけてきたから、ピントが合わせづらかった。

露出もマニュアルだし、勘でいろいろやってみたが、失敗も多かった。

たぶんiPhoneのほうがきれいな写真が撮れるのだろうが、古いデジ一眼で撮る写真もわるくない。

ちょうどひな祭り前で、おひなさまにも出会えたし。

富田林寺内町で(使用カメラK100D、使用レンズPENTAX-M28mm)

さて、次はどこにいこうかな。

 

冬の植物園

 

AIを使うぐらいなら、もう働きたくないなと思っていた。

でも、半ば会社命令でChat-GPTを使い始めた。

そうすると便利すぎて、仕事が効率化してしまった。

ニュースリリースを放りこむと、あっという間に記事化してしまう。それなりに整っている。へたな記者よりよっぽど構成がしっかりしている。

そして自分もいつの間にかチャッピー(そう呼ぶらしい)と会話してる。

「でも怖いな」

昭和おやじ。便利さを実感するより、実はその思いの方が強い。

そのうち人はいらなくなるのでは。別にこの世にいなくていいんちゃうか。

そんなことを思う今日この頃、行ってみたかった小石川植物園を訪れた。

平日の午後、広大な敷地に訪れる人もちらほらで、聞こえるのは鳥の鳴き声ぐらい。

ベンチに座って、なんともなしに時間が過ぎていく。

なにもしない時間。

人のことを考えなくてもいい空間。

そして冬も植物は生きている。

おっさんもしばし頑張るか。もちろん少しずつ減速しながら。

60代以降はそれでええわ。

そう思った冬の植物園。

あなたも訪れてみませんか。

小石川植物園(使用カメラ:富士フイルムXQ1)

 

好き嫌い

人と交わることがなくなると、呆けるという。

たぶんそうかもしれないが、人付き合いが苦手である。

できれば付き合いたくないが、付き合わないと社会では生きられない。

と言いながら、こんなところに書いていること自体、矛盾している。

まことに人は矛盾した存在である。

そのうち、AIが仕事をして、人を養ってくれないか。

そう思うこの頃である。

人は好き嫌いの中で生きあうしかないのだろうか。

ただ、ひなたぼっこしていたい(使用カメラ:富士フイルムXQ1)

 

或る城下町

先日、三重県伊勢亀山城跡を訪れた。

JRの津駅から亀山駅までワンマンの各駅停車で約20分。

土曜日だったが乗客はまばらで、まさにさびれたローカル線の雰囲気。

その割に亀山駅は乗り換えが多いからだろうか、プラットフォームが複数あり、意外と大きかった。

駅を出て坂道を登っていくと旧東海道と交差するところからなだらかとなり、一帯は丘陵のよう。城は丘陵の一番高いところに築かれ、そのまわりに城下町が広がっていたようだ。

わずかに残っている本丸東南隅の多聞櫓の白壁が日に映えていた。

多門櫓

隣の亀山神社にお参りする。

亀山神社

東海道の要衝ということもあり、城主のほとんどは譜代大名だったという。

下って旧東海道に戻る。

東海道四十六番目の宿場町「亀山宿」だったところ。

それにしても人が少ない。

古い町屋もちらほら残っているが、すでに一部が廃墟化している家もあり、さびれが目立つ。

旧東海道

次の「関宿」はもっと古い町屋が残っていて風情があるという。

『暗夜行路』(志賀直哉著)に亀山が出てくると知って、後で該当箇所を探してみたら、こんなふうに書かれていた。

亀山は彼(主人公)の亡き母の郷里だった。それは高台の至って見すぼらしい町で、町見物は直ぐ済み、それから、神社の建っている城跡の方へ行って見た。

ちょっとかわいそうな表現だが、令和の今もかわらないのは高台の町ということだろうか。

残念ながら、そういう印象しか持たなかった。

駅前にも食べるところがなさそうなので津駅へ戻った。

三重県はうなぎでも有名である。

時刻はもう午後2時近く。腹が減りすぎているところへ炭焼きのにおい。さそわれるようにうなぎ屋に入れば結構繁盛している。

ここぞとばかり「うな重、特上で」と注文してしまう。

待つことしばし、久々のうなぎ。

たれに染みた米もうまい。

うな重特上

これで3100円。大阪や東京ではもうそんな値段で特上は食えない。

今日も一期一会の旅。

ごちそうさまでした。

 

小さな鉄道

訪日外国人を当たり前のように見かける時代になった。

インバウンド需要でもうかっている人もいるだろうが、正直、主要ターミナルや観光地が混みすぎて、うんざりである。

まわりに配慮もせず、どでかいキャリーケースをどたどた運ぶ家族連れなんていれば、最悪だ。

まあそういう日本人もいるから、どっちもどっちかもしれないが。

もともと人混みは嫌いなので、最近は小さな鉄道に乗ることも趣味になった。

平日の日中はたいてい空いているのがいい。

南海電車貝塚駅から乗り継げる、水間鉄道もそんな鉄道の一つである。

終点の水間観音駅で降り、水間寺にお参りする。

今日のお供は、乾電池で動くペンタックスK100D(レンズDA18-55mm)である。

終点の水間観音駅

行基さん創建の古刹。正月なんかはすごい人出なのだが、平日はゆったりした時間が流れている。

パワースポットの滝がある

それにしても、運というものは決まっているものなのだろうか、それとも、自分で運んで来るものなのだろうか。

手を合わせて小さな幸せを願う。

誰しも「自分は運がいい」と思って過ごしたい。

来年は午年。

良い年でありますように。

昔の車両が保存されている

 

 

坂の途中で

坂は嫌いだが、坂の町が好きである。

来年はぜひ尾道を旅したいなと思っている。

大阪も歩いてみると坂の町である。もともと「大坂」だったこともそれに由来するのかもしれない。

上町台地の斜面にあるのが「天王寺七坂」(てんのうじななさか)。

カメラを持ってゆっくり上り、下り。

喧噪もなく、クルマもない。

時々、人とすれ違う程度。そんな道が一番心が落ち着く。

真言坂(しんごんざか)、源聖寺坂(げんしょうじざか)、口縄坂(くちなわざか)、愛染坂(あいぜんざか)、清水坂(きよみずざか)、天神坂(てんじんざか)、逢坂(おうさか)。

口に出してみると、なんとなく響きもいい。

疲れたときに、また歩いてみようと思う。

一瞬の出逢いがあるかもしれないから。

口縄坂
カメラ:ニコンD70s レンズ:AiAF28mm/f2.8