地名や国名の語源を知ると、歴史がわかる。
ウクライナは「辺境地帯」という意味だという。
西スラブの果ての平原というイメージだろうか。
辺境は、いつも侵略の恐怖にさらされている。
ウクライナはほぼ全域が平坦な地形で穀倉地帯ということもあってか、周辺の大国に侵略され、その支配下にあった長い忍従の歴史を持つ。
かつての帝政ロシア、ソ連のような超大国を夢見るプーチンは、ウクライナなどの旧ソ連圏をふたたび取り込んで、帝国を再現したいのだろうが、ここまでくるともはや狂人だ。
なんとかプーチンの暴走を止めないと、本当に核による第三次世界大戦が起きかねない。
しかし、落としどころが見えない。
経済制裁で欧米などが一致団結しているようなイメージがあるが、欧州連合(EU)は天然ガスの4割をロシアに依存するなど、持ちつ持たれつの関係だから、もちろん抜け道は用意されているようだ。
石油や天然ガスなどの資源大国ロシア。ウクライナも鉄鉱石など鉱物資源が豊富だ。農作物では小麦がロシアとウクライナ併せて世界輸出の約3割を占めるという。
これらの供給に支障が起これば、世界規模の経済問題に発展する。
返り血も覚悟しないといけないので、経済制裁の度合いが難しい。
あまりにもロシアを締め上げ、孤立感が深まれば、第一次世界大戦後にファシズムに走ったドイツみたいなことにならないかと不安になる。
ロシアの侵攻で、かつて大事故を起こしたチェルノブイリ原発のことも報道されるようになったが、ウクライナには15基の原発が稼働中だという。それが戦火の国土の中にあるかと思うとぞっとする。
歴史は繰り返す。
スペイン風邪のパンデミック後、世界大恐慌、第二次世界大戦が起こった。
コロナ禍が続く中、再び株式市場の暗黒時代や世界大恐慌が再来しないか。
それはあまりにも心配しすぎだろうか。
杞憂であることを祈るのみ―。