まほろば紀行~つれづれなるままにレトロに生きる

日々の雑感や昭和レトロ、素人の投資ことはじめを語ります

街から「銀行」が消えていく?

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それなりの年齢になり、自分の家系にどんな人がいるのか気になったので、分かる範囲で調べて家系図をつくってみた。

職業で気づいたことは銀行員や教職についている人が少し目立ったことだった。

銀行員がエリートだった時代

銀行員や教職は、かつてはもっと社会的信用や名誉も高かった。特に銀行員は出世の差はあれ、エリートといっていい職種だったように思う。

就職の人気も高かった。

それがどうだろう。昨今は人気も低下気味。地銀以下は再編統合を余儀なくされており、メガバンクも安泰ではない。将来性となると大いに疑問符が付く不安定な感じになっている。

デジタル銀行が拡大へ

こうした中、ネット銀行が拡大。さらに今年5月28日からサービスを開始した、ふくおかフィナンシャルグループの子会社「みんなの銀行」は、実店舗や通帳だけでなくキャッシュカードもなく、「国内初のデジタル銀行」を名乗っている。

各社とも口座開設のキャンペーンがさかんで、「今なら○○○○円もらえる」と、新たに口座を開設した人も多いのではないだろうか。

金融・保険・証券もGAFAが支配?

この先、銀行はどうなっていくのだろうかと思っていたところ、『銀行を淘汰する破壊的企業』(SB新書、山本康正著)を読んで、漠然と想像していた未来予想図が明瞭になった。

冒頭、著者がイメージする「2025年の銀行や保険、証券会社といった金融企業の未来の姿」が描かれる。

それはデジタルバンクやデジタル通貨が浸透し、あらゆる銀行サービスはスマホで完結する世界だ。

アップルバンクの利用者は、メガバンクと肩を並べるまでに拡大している。

アップルだけでなく、アマゾン、グーグル、フェイスブックロビンフッドなど、メガベンチャーからフィンテックベンチャーまで、さまざまな企業がデジタルバンクやフィンテックサービスを開発し、金融業界に進出している。

その結果、既存の銀行は次々と顧客を奪われ、衰退。駅前の一等地にあった店舗はスターバックスアップルストアに変わり、現金を使う必要はないのでATMも撤去されている。

もちろんこれは架空の話ではあるが、「そうなりそうだな」という予感を持っている人は少なくないのではないだろうか。

同書では、既存の銀行を破壊する企業として、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、ペイパル、ストライプ、アント、アファーム、コインベース、キャベッジ、ロビンフッドの11社が挙げられている。

そして、銀行を襲うのは、①すべての銀行手数料が0になる②預金量よりもデータを持つ銀行が未来を制す③24時間365日開いている銀行が標準に―の3つのメガトレンドだという。

 

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紙幣や硬貨も使わなくなる?

こうした中でデジタル通貨の導入が各国で進めば、もう私たちは紙幣や硬貨を使わなくなるのだろうか。

2024年には渋沢栄一などの肖像を使った新紙幣が登場するが、実際に紙幣に触れる生活はどんどんなくなっていくのかもしれない。

善かれ悪しかれ、デジタル化の加速で生活や街の風景は大きくかわっていくのだろう。

それにしても、世界最古のコインの一つと言われているリュディア王国の「エレクトラム貨」の名称が、見た目が琥珀に似ているため、ギリシア語で琥珀を意味する「エレクトラム」から来ているのが、ちょっとこわい。

琥珀をこすると静電気を起こすことから、電気を表す「エレクトリック」という語も琥珀に由来するという。

エレクトラム」と「エレクトリック」は同じ語源を持つ。

われわれは、電子マネーが席巻する世界の目前に生きている。

歴史はつながっていると思うのは私だけでしょうか。