まほろば紀行~つれづれなるままにレトロに生きる

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手間いらずが一番―「米国株超楽ちん投資術」を学ぶ


投資をやり始めて聞こえてきたのは、「日本株よりも米国株に投資すべきだ」との声である。

50代で投資を始めた出遅れおじさんとしても、ここはやはり気になる。

というわけで、いまさらながら人気ブロガーたぱぞうさんの『お金が増える 米国株超楽ちん投資術』(発行:KADOKAWA)を読んでみた。

この1、2年でいろんな方がブログやYouTubeなどで発信しているように、資産形成には結局、積み立てNISAなどを活用したインデックスファンドの長期投資がベストのようだ。

それを分かった上で、あらためて同書を読んで驚いたのは、著者のようにすでに一財産築いた投資成功者でも、若いときには試行錯誤の時期があったということ。

無理のない投資方法は

第1章の「お金の履歴書」で、その変遷が赤裸々に綴られている。資産は増えたが、若いときの投資は「結果オーライ」「投資してきた銘柄は、今なら買わないものばかり」だったというのは、投資初心者を勇気づける。成功者も一足飛びに極意を会得したわけではないというのがわかって。

逆にいえば、そうした投資術を本やブログなどで簡単に手に入れられる現代は、非常にめぐまれた時代でもある。

本によると、25歳から投資を始めた著者は、「東京都の財務局に勤めていた祖父と、金融機関に勤めていた父と母が株式投資をしていたせいか」、投資に対する抵抗感はほとんどなく、「収入を得るようになったら投資するもの」「お金は投資で増やすもの」という感覚があったという。

「20代で株式投資逆張りではじめ、円高をきっかけに米国株や新興国株に投資し、インデックスを含めた分散を意識するようになった」という投資履歴。そして「たくさんの無駄と、たくさんのストレス」の紆余曲折を経て、著者がたどり着いた結論は、一言でいうと

「米国株長期投資ならば、誰でも安定して資産が増やせる」

ということ。

冒頭のこの本でお伝えしたいこととして、そう記されている。

昨今の米国株への投資ブームをみると、先んじてそれを長年実践し結果を出している人の言葉の重みをあらためて感じた次第だ。

投資を考える時間は最小で

同書はコロナ禍前に出された本だが、第2章以降の「だから米国株でお金が増える」「米国株投資はインデックスか、個別株か?」など順を追って読んでいけば、なぜ米国一択なのかを理解しながら、具体的な投資方法を学べる内容になっており、今でもバイブル的存在になり得るものだと思う。

もちろん、すでにある程度の投資歴があり、それなりに資産がたまっている方ならば、米国株を核としながらも複数の選択肢を立てていろいろ資産設計をされているのだろう。

だが、私のような中間管理職サラリーマンの投資初心者には、シンプルな投資方法が一番だ。

著者の「人生で大切なのは仕事や、趣味や、家族の時間。だから投資には時間も手間もかけない」という考え方は、万人受けするスタイルだと思う。

ところで、ある程度年齢を重ね子どもを育て終わりつつある者として、同書を読んで別の意味で心に残ったのは、「おわりに」にも書かれているが、著者が若くして壮絶な人生経験をしていることだった。

そのことは本の内容とは関係ないが、米国株や投資のすばらしさ、必要性を伝えたいという著者の思いの深さが少しわかった気がする。

同書は、手間いらずで投資したい初心者にはちょうどいい入門書だと思う。

 

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